
海洋の今と未来の⾵景を語る
今号のテーマは『海洋の今と未来の⾵景を語る』。
地球の約7割を覆う海は、私たちに多くの恵みをもたらしています。食料としての海洋資源に加え、二酸化炭素の吸収や酸素の供給を通じて気候変動の緩和にも貢献しています。
その青く美しい“母なる海”では今、数々の異変が起こり、危機的な状況にあることが示されています。魚類資源の減少、サンゴ礁の死滅、マングローブ林や海草藻場の消失などが深刻に進行しているのです。
一方で、増え続けているのが「海洋ごみ」です。毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込み、生態系に深刻な影響を及ぼしています。有害な化学物質を含むマイクロプラスチックは、食物連鎖を通じて人体への影響も懸念されています。特に日本近海ではマイクロプラスチックの濃度が高く、表層では世界平均の27倍にも達しています。
今号では、「海」を仕事場にするふたり、海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員で生物海洋学者の中嶋亮太さんと、水中写真家の鍵井靖章さんにお話をうかがいました。
深海底にはレジ袋が散乱し、一見美しいサンゴ礁は過去にない頻度で白化している──
ふたりが見た海洋のリアルと、未来に向けたアイデアを語っていただきます。