NRFの2026年度「グローバル小売業トップ50」
このランキングで1位になったのは、ウォルマート (Walmart) だ。小売売上高は6920億ドル (110兆7200億円:1ドル=160円で換算) で、2位のアマゾン・ドット・コム (Amazon.com) を大きく引き離した。
本拠地の米国では、次世代型スーパーセンター (SuC) の新規出店や改装を進めているほか、メキシコやチリ、南アフリカ共和国でも店舗網の拡大に向けた投資を加速させている。
3位には、ハードディスカウントストア (HDS) のリドル (Lidl) などを傘下に収める独シュヴァルツ・グループ (Schwarz Gruppe) が入った。
リドルは、英国の店舗数が1000店を超え、スペインでも700店を突破した。米国では、ニューヨーク市マンハッタンなど、東海岸の都市部にも出店している。
これに次いで4位となったのが、ドイツ発HDSのアルディ (Aldi) だ。
近年は、欧州本土以外で店舗網の拡大を図っている。2026年には、米国で180店以上、英国でも40店を新規出店する計画だ。
5位には、メンバーシップ・ホールセール・クラブ (会員制倉庫型卸売小売:MWC) のコストコ・ホールセール (Costco Wholesale) がランクインした。
2025年12月時点の国別の店舗数は、米国が633店で圧倒的に多く、カナダ (114店)、メキシコ (42店)、日本 (37店) の順でこれに次ぐ。また、米国、カナダ、日本を含む8カ国ではECも運営している。
業態別で見ると、圧倒的な価格訴求力を強みとするディスカウントストア (DS) が上位に入り、存在感を高めている。
リドルを傘下に収めるシュヴァルツ・グループやアルディに加え、ポルトガルのジェロニモ・マーティンス (Jerónimo Martins) も、ポーランドのビエドロンカ (Biedronka) やコロンビアのアラ (Ara) といった傘下のDSを通じて成長し、昨年から4ランク上昇して13位となった。
食品スーパー (SM) では、6位のアホールド・デレーズ (Ahold Delhaize) が最上位だった。このほか、独レーヴェ (REWE・12位)、仏インターマルシェ (Intermarché・24位)、スイスの生活協同組合コープ・スイス (Coop Schweiz・25位) もランクインしている。
近年、非食品のディスカウントストア (DS) で著しく成長しているのが、オランダを本拠に欧州14カ国で展開するアクション (Action) だ。
2026年度の「グローバル小売業トップ50」での順位は34位と、昨年から2ランク上昇した。
2024年に352店を出店したのに続き、2025年も384店を出店し、店舗数は2025年末時点で3302店となった。
国別ではフランスが914店で最も多く、ドイツ (649店)、ポーランド (449店)、オランダ (421店) の順でこれに次ぐ (2025年末時点)。2021年に進出したイタリアや、2022年に進出したスペインなど、新規参入した市場でも出店を加速させ、店舗網を順調に拡大している。
アクションは、圧倒的な価格訴求力を強みとする。日用品やインテリア雑貨、文房具、玩具など、非食品の14カテゴリーにわたり約6000品目を取り扱い、そのうち3分の2以上の価格を2ユーロ (370円:1ユーロ=185円で換算) 未満に設定しているのが特徴だ。
消費者の節約志向が高まる中、各国で支持を集め、週あたりの来店客数は平均2160万人にのぼる。また、フランスの「好きな小売ブランド調査」で4年連続トップに選ばれるなど、ブランド評価も高い。
2026年以降も引き続き、出店意欲は旺盛だ。2026年3月にクロアチアで初出店したのに続き、夏以降にスロベニア、2027年にはブルガリアにも進出する。
また、2027年末または2028年初に、米国で第一号店を開業する計画も明らかにしている。2030年末までに米国で100店体制を目指す方針だ。
英スポーツファッション専門店のJDスポーツ (JD Sports) は、2026年度の「グローバル小売業トップ50」で初めて37位にランクインした。
主力のスポーツファッション業態「JD」のほか、スニーカー専門店「DTLR」、アウトドアウェア専門店「Go Outdoor (ゴー・アウトドア)」など、スポーツファッションやアウトドアウェアを中心に展開し、欧州・北米・アジア太平洋の49カ国で4850店を運営している (2025年末時点)。
国別の店舗数は米国が2470店で最も多く、英国 (665店)、フランス (387店)、スペイン (357店) の順で続く。2025年には、ブルガリア・チェコ・ラトビアにも進出した。
積極的なM&Aによって事業規模を拡大し、グローバルなプレゼンスを高めている。
直近では、2024年7月に、米国36州で1100店以上を展開するスポーツ用品店のヒベット (Hibbett) を買収したのに続き、同年11月には、欧州6カ国で約300店を運営する仏スニーカー専門店のクーリエ (Courir) を5億2000万ユーロ (962億円) で買収した。
その一方で、主力の「JD」セグメントでは、自前出店も加速させている。2025年には欧州と北米を中心に205店を新規出店し、このセグメントの店舗数は同年末時点で2026店となった。
「JD」を展開する36の国・地域でのスポーツウェア市場シェアは6.5%となり、前年から0.8ポイント上昇している。