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(株)アークス 代表取締役社長 横山 清氏
まだまだ北海道に必要なのは
“感動的安さ”“期待を超えるサービス”だ
(株)アークス/昭和36年10月設立。店舗数165店。事業内容は食品小売・衣料小売を北海道で展開。本社は札幌市豊平区平岸一条1丁目9-6

 人口563万人の北海道マーケットは、今、大きく3つの勢力でのせめぎ合いが進んでいる。
 ひとつがイオングループ。イオン本体と、ポスフール、マックスバリュ北海道などの総合スーパー、スーパーマーケット、スーパーセンター勢でグループ店舗数100店に届かんとする勢力。衣食住計の推測で3000億円前後のグループパワーである。
 もうひとつが生活協同組合のコープさっぽろで、こちらもコープ道東、十勝を合わせてグループ店舗数で98店と、イオングループと拮抗。単体の店舗事業、共同購入事業合計で1719億円の企業規模を有している。
 この2つの勢力に対峙し、北海道マーケットで前進を遂げるのが株式会社アークスのグループである。店舗数は165店、連結の営業収益は2229億円で前年比8.9%と成長中で、食品のみのマーケット規模でいけば、まさにナンバーワンなのである。
 このアークスグループを率いるのが横山清社長である。横山社長は85年、アークスの前身であるラルズ社長に就任。その後、道内各地の小売業との提携、合併などで企業規模を拡大し続けてきた。02年には帯広の‘福原’と、純粋持株会社であるアークスを設立し経営統合、さらに04年には旭川の‘ふじ’がアークスグループに参加して、現在に至っている。
 競合する同一フォーマットという、あえて言えば“昨日までの敵”を“今日の同志”にする非常に難しい経営統合の、求心力となり続けてきた人物、それが横山社長である。
2200億円企業のトップで日本セルフ・サービス協会名誉会長、しかも在札幌フィンランド共和国名誉領事などを務める国際人でもある。それでいて、社長専用車も運転手もなし、着ている背広も、はいている靴もグループ企業の商品という質実さが人間的魅力である。
 このアークス成長の原動力は、言わずと知れた‘ビッグハウス’。「十人十色、一人十色と言われ
 “多様化”“個性化”の時代と称された94年に、日常大衆品を3000品目にまで絞り込んで、まとめ買いの1物3価で売るというディスカウント型の‘ビッグハウス’を始めました。こんな店成功するわけはないと『10年・30店・1000億円構想』は当時、まったく信じられていなかった」と横山社長は笑う。この‘ビッグハウス’が、現状33店・1000億円超の態勢なのだから、まさに計画どおりの成長軌道である。
 ‘ビッグハウス’成功の背景には、北海道の置かれた厳しい歴史があった。農業、炭鉱などの衰退で経済規模は縮小するにもかかわらず、遠隔地という理由だけで流通には本土より高い“北海道価格”が押しつけられるという理不尽があったのである。
 横山社長は、一般的に25%を超える荒利益で運営されていたスーパーマーケットの世界において、投資と作業の見直しで徹底してコストダウンを図り17%の低荒利益率でも利益の出る運営手法を確立。しかも、売場はクレンリネスを徹底しスタンダードレベルを維持。“感動的な安さ”“期待を超えるサービス”などで、お客さまの心をつかみ支持を広げてきた。
 派手な経営統合の裏側では、‘福原’‘ふじ’との商品部のシステム完全統合、物流センターの改革、プロセスセンターの開設など、確かな仕組みを構築。連結経常利益額72億円で経常利益率3.2%の好収益は、こうしたインフラ整備の結果である。
 低価格を実現できる“低経費体質”こそが、‘ビッグハウス’の最大の競争力なのである。
 「この間、『良い物に付加価値をつけて販売すれば高くても売れる』という商売のやり方は、日本全国でことごとく駄目になりました。ますます所得格差が生じている今の時代だからこそ、『必要な品質の商品をもっと感動的な低価格で販売する』−これこそがチェーンストアが追求すべきことです」
 アークス横山社長の意気は、ますます高い。

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