兵庫県・神戸市の阪神御影駅に隣接して、今年3月下旬に阪神百貨店を核とする商業施設「御影クラッセ」が生まれました。「ちょっと上質な日常をサポートする、ライフスタイル提案型ショッピングセンター」というコンセプトのもとに、多くの地元ブランドが集まっています。
この御影クラッセのエントランス正面に、「Mikage Salon MUSE(以下、MUSE )」があります。店舗の前面には白と濃紺を使ったモダンなディスプレイでスキンケア化粧品が、奥には酒器を中心としたさまざまな「和」の商品が並んでいます。化粧品と酒器という2つの要素が店の中で調和し、豊かな空間を演出しています。
化粧品の形で
日本酒の力を伝えたい
実はこの MUSE は、白鶴酒造が出店したもので、スキンケア化粧品も、同社が研究・開発したものなのです。
酒どころ灘にある白鶴酒造は、江戸時代の創業以来265年の歴史を持つ日本有数の酒造メーカーで、「上撰白鶴」「まる」「淡麗純米」など、全国でも有名なブランドをいくつも有しています。その白鶴酒造がなぜ化粧品の開発に乗りだしたのか。
「昔から酒造りをする杜氏(とうじ)の手はきれいだといわれてきました。日本酒造りにかかわる人々の間で、米の成分が美容にいいということは昔から知られており、酒粕のパックなども広く行われていました。そこで、日本酒を製造・販売していく中で、米や日本酒の力をさまざまな形で提案していきたいと考えたのです。私たちが積み重ねてきたスキンケアの研究は、04年に『ライスビューティー米の恵み』というブランドとなって実を結びました。07年には化粧品事業部を立ち上げ、本格的な販売に乗りだすことになりました」(化粧品事業部部長・巽良彦氏)
この「ライスビューティー」シリーズのラインナップは「米の恵み」と「ドラマティックリペア」の2つで、いずれもスキンケア化粧品です。「米の恵み」は医薬部外品(薬用)で、肌の保湿成分を含む「淡麗純米」と、ミネラルを含む六甲の自然水が配合されています。06年からスタートした「ドラマティックリペア」には、酒粕を独自の製法で酵素分解した美肌成分「CAS(キャス)」が加えられています。この「ドラマティックリペア」は、ターゲットを「米の恵み」より高い40〜50代に置いており、パッケージも06年度の「兵庫県グッドデザイン賞」に輝いたというゴールドと濃紺を基調にしたデザインです。2つのラインとも化粧水、美容液など7品目で、どのアイテムにも日本酒が配合されているのも、白鶴酒造ならではといえます。
「日本酒」のある
くつろぎのひとときを提案
MUSE のコンセプトは、「20〜50代という幅広い年齢層の女性にくつろぎのスペースを提供する」というものです。前面に大きくスキンケア化粧品「ライスビューティー」シリーズをディスプレイし、店内奥では酒器を中心に陳列、日本酒のある生活を提案しています。
「出店に踏み切ったのは、地元であること、酒造会社としてさまざまな形で情報発信したいと考えていたこと、御影クラッセのコンセプトである『上質な日常』と我々の考え方が一致したためです。ご夫婦で来られても楽しめるスペースに仕上げてあり、中のカウンターでお茶も飲めるようになっています」
店内の酒器は、新進作家の手による創作的な一点ものが中心となっています。銀色の輝きを放つ錫のゴブレットや小皿、色鮮やかなカットグラス、ユーモラスな人形の形をしたものなど、ユニークな酒器が並んでいます。すべて、コーディネーターがプロの目で見てセレクトしたこだわりの商品です。カウンター上の壁面にディスプレイされたルネ・ラリックのガラス器や、バカラのアンティークが、店内に柔らかな光を投げかけています。このほか、和の雰囲気を持つ風呂敷や箸置きなども数多く揃えられています。
一方、化粧品は対面でコンサルティング販売を行うが、個室であるプライベート・コンサルティングスペースも備えられており、クレンジングからフェイスマッサージなども受けられ、使い心地を体験できるようになっています。
この MUSE に、白鶴酒造の本部システムとリンクしたTERAOKAのPOSレジ『WebPrime Plus』とラベルプリンタ『GP-460RSe』が導入されています。今回、TERAOKAのPOSレジを導入するにあたっては、システムを変更することなく、白鶴酒造をはじめとする多くの酒造メーカーが採用しているASPシステムと接続できたことが決め手となりました。
また、ラベルプリンタにPOSの商品マスターデータを取り込むことで、商品ラベルを簡単に出力。再入力の手間がかからず、300点以上も商品がある MUSE では「省力化できて便利」と高い評価をいただいており、スタッフの方々からも「操作が簡単でわかりやすい」と好評です。
MUSE は、日本酒をテーマにしたユニークなコンセプトショップで、新しい時代にふさわしい「日本酒のあるくつろぎのひととき」を提案しています。また、広く日本酒に関する情報も発信し、新たなファンづくりを目指します。
「白鶴ブランドとして、初めての直営店からさまざまな形で商品を展開できれば面白いと考えています。
今後は季節に合わせて商品を入れ替え、また店内で日本酒の試飲などもできるようにしていく計画です」
白鶴酒造は化粧品の開発と MUSE の出店によって、自社の、そして日本酒の新たな“世界”を拓いたといえるでしょう。
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| 初夏から夏にかけてのおすすめは、錫製の酒器。ひんやりした感触で、冷酒をいっそう美味しく演出する |
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| 化粧品事業部部長・巽良彦氏(本社内にある白鶴酒造資料館前で)。以前は、酒類の営業を担当、全国を駆け回る日々を送っていた |
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「ライスビューティー」のラインナップの販路は、「米の恵み」が店舗販売と通信販売で、「ドラマティックリペア」は通信販売のみとなっている |
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「御影クラッセ」は、阪神御影駅前にこの3月に新築されたばかりの商業施設で、多くの地元ブランドが集積している |
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| 「Mikage Salon MUSE」。ミューズはギリシア語で「女神」の意味で、女性たちのくつろぎのスペースという意味が込められている。前面では化粧品「ライスビューティー」シリーズが、奥では酒器などが販売されている |
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| 店内には「コミュニティスペース」としてカウンターが設置されており、スタッフと話をしながらお茶なども飲めるようになっている。ここから、多くの情報が発信されていく |
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店舗に導入されているPOSレジ「Web Prime Plus」は白鶴酒造のシステムとリンクしている。本社で売上げを確認でき、発注も含めて商品管理をしている |
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同店ではラベルプリンタ「GP-460RSe」も導入。レジからのデータをラベル発行できる形に変換 |
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