衣食住の『衣』のケアを担うクリーニング業は身近な業種であるにもかかわらず、一般消費者は「どのように自分の衣類が洗われているのか」を目にする機会はほとんどといってよいほどない。そこで、消費者はどんなに思い入れの深い衣類でも、クリーニング店にすべてお任せしているのが現状だ。
そんな消費者からの信頼を裏切らないよう「手を抜くことなく品質を追求し、プロとしてのこだわりと安心・信頼感のあるクリーニングをお客さまに提供してきた」と語るのは、(株)明治の大石浩介代表取締役(本社工場・福岡県久留米市白山町)である。
同社は昭和27年久留米で設立、現在は久留米・福岡・筑後地区で直営14、取次90の計104店舗を展開。その104店舗に集まる品物は、すべて本社工場で処理される。
品質を追求しているから、当然洗いにもこだわりを持つ。ドライクリーニング品は石油系ドライ機(コールドタイプ22kg)×3台とパークドライ機(20kg、30kg)の計5台で洗っているが、いずれも蒸留機能が付いており、常にキレイな溶剤で品物を洗っている。また、技術の差が現れやすいシミ抜きについても、業界で有名な専門家に学び、そこで認定された技術者が常駐しており、あらゆるシミをかなりの確率で取ることができるという。
クリーニングの市場規模は平成4年をピークに、昨年まで13年連続で前年割れという厳しい環境にある(平成4年8170億円→17年4779億円/総務省統計局「家計調査」等から算出)。その要因としては、家庭洗濯の台頭やファッションのカジュアル化などもあり、一概に長かった不況の影響だけとはいえず、今後もさらに減少を続けるとの予測もある。また、クリーニング激戦区として知られる九州は料金競争も激しいが、洗いにこだわる同社の料金は、どうしても同業他社より割高となっている。
そんななかでも生き残り、勝ち残っていくために現在最も力を入れているのが、同業他社との差別化をいかに図るか?である。
その柱の一つが、受付スタッフへの教育だ。「これまで以上に接客力を磨くとともに、業界が苦手とするサービスの見せ方なども工夫していきたい。また、繊維やファッションに関して学んだ知識をお客さまに還元し、『衣類のメンテナンスのことなら明治へ』との仕組みを作りたい」(橋本康志部長)。
市場が縮小し続けるなか
いかに差別化を図るか
受付教育と並ぶ、もう一つの柱が今後の店舗展開である。今年3月9日にオープンしたばかりの「筑後けやき通り店」(筑後市徳久226-1)は、外観もこれまでとはイメージを変えた直営店だ。持ち帰り寿司店の跡地なのだが、200メートル圏内に、同社以外の3社4店舗が隣接。その4店舗と比較すると、同社の料金は1.5〜2倍前後にもなる。
そんな立地条件であるから、特に差別化を意識した店づくりとなった。また、店内設備でも「他店にはない、新しい武器はないか」と探していたところ、寺岡精工の担当者から提案されたのが、水道水から水の分子だけを取り出す逆浸透膜ろ過システムで限りなくピュアな水を作り出す『ECOA』であった。橋本部長は「以前から『ECOA』の存在は聞いていたが、クリーニングの店舗には大き過ぎる機械だと考えていた」そうだが、タイミング良く省スペース型の『POCO』が出ていると聞き、導入を決めた。クリーニング店では全国初の試みである。
同店スタッフの井上マキさんは「まだ『ECOA』を積極的にお勧めしてはいませんが、お客さまから『この機械は何?』と質問されることも多く、それをきっかけにコミュニケーションが取れることも。私もこの水を持ち帰り、ご飯を炊いたり、お茶やコーヒーを飲んだりしています。やはり通常の水道水とは一味違いますね」と語る。
この水は現在、担当営業マンの「リース代程度は出るように」との勧めもあり、会員は50円、非会員100円(2L)と有料で提供中。今のところチラシで簡単に告知しているだけだが、さっそく水を購入することだけを目的に会員になった方もいるという。
3、4月は予想を上回る好成績を残したという同店だが、「せっかく手に入れたこのツールを、もっと有効に活用していきたい。水は毎日使うものだけに顧客の来店動機づけ、固定化の大きな武器となるでしょうし、今後が楽しみです」(橋本部長)と、安心・安全でおいしい水のあるクリーニング店?のイメージ定着を目指していく。
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| 店舗スペースにはリフォームコーナーも併設されている |
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橋本康志部長の後ろにあるのが石油ドライ機(左端)と乾燥機 |
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「これからも変わらずに安心・信頼のできるクリーニングを提供していく」と語る大石浩介代表取締役 |
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| (株)明治・本社工場。写真の手前側は店舗で、奥が100を超える店舗の品物を処理する工場 |
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工場内に大きく掲示されている標語。「良い仕事」が同社の原点だ |
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(上)TERAOKAのPOSレジ『DUKE210』が2台。近隣でレジ2台体制の店はなく、お客さまを待たせることも少ない (下)預かった品物は直接カウンターに置くのではなく、レースで作った「ウェルカムクロス」の上に。見せ方の演出の一つだ |
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今年に入りTERAOKAのASP本部システムの『ASTEMPO』による管理も開始 |

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| (上)(左下)今年3月にオープンしたばかりの筑後けやき通り店。外観のイメージも今までとは違う (右下)店内右手に設置された『ECOA・POCO』。クリーニング店では全国初の試みだ |
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