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あらためて考えよう! ハウスルールの重要性
文/図表・塩見俊朗 (株)アンスコンサルティング 代表取締役社長
店舗運営の基本、ルール作り
飲食店を運営する上で、マニュアルを整備して作業の標準化を図っている店は多いと思います。しかし、複数の店舗を出店するとそれぞれの店舗独特の問題が存在するものです。そのような個別の問題はマニュアルでは解決できません。したがって、大きなチェーン店でもそれぞれの店舗個別のルールが必要になってきます。このようなハウスルールはチェーン店であろうが個人店であろうが、とても重要なものなのです。
ルールを決めることで表れる効果のひとつは、従業員の不正を防止できるということです。いきなり不正の問題を挙げるのも気が引けますが、残念ながら現金商売の飲食店は不正を招きやすい業界といえます。不正の発覚はスタッフ同士の信頼関係を損ない、悲しいことですが、店全体が機能不全に陥ることさえあります。
よくあるのは、オーダー→商品提供→会計の一連の流れの中での不正操作です。スタッフの友達がお客さまとして来店されたとき、「サービスだ」と調理指示を出しながらも伝票に記入しないといったことは、ありませんか? 調理指示に基づく正確な伝票発行は飲食店の基本的な仕組みです。幸いなことに、最近では本格的なオーダリングシステムをASPで提供できるようになってきたので、比較的システムの導入がしやすくなりました。手書きの伝票を使用している店舗では、特にオーダー取消処理についてのルールは厳しく定めましょう。少なくとも、オーダー取消処理を行った担当者名、オーダー取消の理由は記録するようにしてください。
不満のない労働環境
さらに、ルールの運用がもたらす別の効果としては、スタッフのモチベーションを高めるという効果もあります。
まず、モチベーションを上げるには、2つのステップがあることを理解しましょう。
1.スタッフが快適に働けるような職場環境を整えること。
2.スタッフが仕事にやりがいを持てる仕組みを作ること。
まず、スタッフが快適に働ける職場環境を整えるためには、スタッフが公平・公正に扱われるようなルール作りが必要です。例えば、職場の中での人間関係。スタッフの特定の誰かが独裁的な権力を持つことのないよう、等しく発言の場を与えたり、定期的に面談などを行ってコミュニケーションを図るというルール決めが必要になります。また、みんなが嫌がる掃除も、特定の新人ばかりにやらせていませんか? 面倒な仕事はなるべく持ち回りで分担させるルールを決めましょう。スタッフが職場に不満を感じないようなルール作りを行うことで、快適な労働環境を整えましょう。
モチベーションが決め手
不満のない職場を作っただけでは、仕事にやりがいが持てるとは限りません。モチベーションを上げるためには、まず店全体の目標を定めること。そして、それを達成するような目標を各人に落とし込むこと。ここでスタッフに自律的に考えさせるルールにしましょう。たとえば、朝礼の際に今日の目標を発言させたり、連絡ノートなどに目標を書き込ませたりするなど、仕事に対して目標を持ってそれを公言するというルールにするのです。それに対して、店長やスタッフリーダーはきちんとアドバイスやフィードバックすることを忘れないでください。さらに忘れてはいけないことは、各人の目標は店全体の目標達成につながるものにするということ。スタッフの働きによって店の目標を達成できたときには、みんなでその達成感を分かち合いましょう。このときモチベーションが高まります。スタッフが店の目標のために力を合わせて働くという環境が、自分の職場に愛着を生み、愛着のある店をもっと盛り上げるため自然に店の課題を発見し改善を促す動機が生じます。そうなれば、自律的にハウスルールを改定する、いわば運営上の自浄作用が起きてきます。磐石な運営力を身につけるために、ぜひハウスルールの充実を図ってみてください。
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